このコラムでは、自分の頭の整理整頓、仕舞いに役立てること、そしてそのことは皆さんのお役に少しは立てるかもしれないという仮説の元、私が関心を持ったテーマ、書籍、出来事等を紹介していきたいと思います。
最初に取り上げるのは、
「オプティミストはなぜ成功するか」 マーティン・セリグマン 訳 講談社
です。
今回から3回に分けてご紹介していきます。
それでは早速、
『オプティミストはなぜ成功するか』 マーティン・セリグマン著 山村宣子訳 パンローリング
【要約】
- オプティミズムとは何か
人生には二通りの見方がある。
ペシミストの特徴は、悪い事態は長く続き、自分は何をやってもうまくいかないだろうし、それは自分が悪いからだと思い込むことだ。
オプティミストは同じような不運に見舞われても、敗北は一時的なもので、その原因もこの場合にのみ限られていると考える。そして挫折は自分のせいではなく、その時の状況とか、不運とか、ほかの人々によるものだと信じる。オプティミストは敗北してもめげない。これは試練だと考えて、もっと努力するのだ。
挫折の原因を考えるとき、どちらの見方をするかによって結果が変わる。数百例の研究結果から、ペシミストのほうがあきらめが早く、うつ状態に陥りやすいことが証明されている。
またこれらの実験から、オプティミストのほうが、学校でも職場でもスポーツの分野でも、良い成績を上げられることも分かっている。オプティミストは適性検査でも常に予想よりも高い得点を取るし、選挙にでればペシミストよりも当選する可能性が高い。健康状態も良くて、上手に年を取り、生活習慣病にかかる率もかなり低い。平均より長生きするという推測さえも、ある程度の根拠がある。
悲観主義現象の核にあるのは無力である。無力とは、じぶんがどんな選択をしようと、これから起こることに影響を与えることはないという状態だ。
私たちの人生には自分でコントロールできないことがたくさんある。目の色も人種もそうだ。しかし、実はコントロール可能であるにもかかわらず、いまだ手のつけられていいない広大な領域が残されている。これらの領域を自分の支配下にいれるか、ほかの人々や運命の手にゆだねるかは、私たち次第だ。これらの行動は、私たちがどのような人生を送るか、ほかの人々とどうつきあうか、どうやって生計をたてるかというような、私たちがある程度選択の余地をもっているすべての分野にかかわる。
思考習慣は永続的なものである必要はない。過去二〇年間における心理学のもっとも目覚ましい発見の一つは、個人は自分の考え方を選べるということだろう。
楽観主義の応用がもっとも役に立つのは、うつ病の治療、成績や業績アップ、健康増進の三分野だが、自分自身を新たな視点から理解するのにも役立つ可能性がある。
まずは自己コントロール理論から話を始めよう。ここで二つの基本概念―学習性無力感と説明スタイルを紹介する。両者にはとても密接な関係がある。
“学習性無力感”とは、あきらめのことである。自分が何をしようと事態は変わらないのだからやめようという考えだ。“説明スタイル”とは、なぜこのようなことになったのか、普段自分に説明するときの方法である。これは学習性無力感を大きく左右する要素だ。
楽観的な説明スタイルは無力感に陥るのを防ぐのに対して、悲観的な説明スタイルは無力感を拡大してしまう。
悲観主義は固定したのでも、変えられないものでもない。悲観主義の支配から逃れて、必要なときに楽観主義を使いこなす方法を身につけられる。身につけるのは簡単ではないが、マスターすることはできる。
まず第一のステップは、自分の心の中の言葉をみつけること。このステップは、人間の心の理解に向けての新たな第一歩でもある。一九六〇年代後半から、個人の自己コントロールの自覚がいかにその人の運命を決めるかが明らかになった。これはその事実を理解するための大切な第一歩なのだ。
スティーブと私は、逃げることのできない出来事だけがあきらめを引き起こすのだという確信をもった。まったく同一のパターンのショックを与えても、動物がコントロールできるものであればあきらめは起こらなかったからだ。動物が自分の行動がむだであることを学ぶことができるのは明らかだった。そしてそれを学ぶと、もう自分からは行動を起こさず、無抵抗になる。
私たちは予防法も研究し、“免疫づけ”という方法を発見した。自分の反応によって状況が変わることをあらかじめ教え込んでおくと、無力状態に陥るのを防げるのだ。さらに子犬の時代にこのことを身につけさせると一生無力状態に対する免疫がつくこともわかった。
悪い出来事を習慣的にどう説明するかは、単に失敗したときに口にする言葉以上の意味がある。それは子ども時代と思春期に身につけた習慣だ。説明スタイルは自分が世の中でどんな地位を占めていると見ているのか―自分に価値があり、生きていく資格があるとおもっているか、あるいは価値のない、無力な存在だと考えるか――にかかわっており、オプティミストとペシミスト分ける特徴的な目安である。
説明スタイルには永続性、普遍性、個人度の三つの重要な面がある。
永続性:すぐにあきらめる人は、自分に起こった不幸は永続的であり、悪いことは続くもので、いつまでも自分の人生に影響を与えるだろうと考えている。無力にならない人々は、不幸の原因は一時的なものだと信じている。
普遍性:特定の理由によるものか、全般的な理由によるものか。永続性は時間の問題だが、普遍性は広がりを表す
私たちが希望を持っているかどうかは、説明スタイルの二つの側面、普遍性と永続性にかかっている。
個人度:内向的説明をするか、外向的説明をするか
楽観主義の習得には数々のメリットがあるのだが、危険もある。
責任逃れを助長するようなやり方を提唱するのは私の本意ではない。なんでもかんでも内向的から外向的思考に変更する必要はないと思う。しかし、確実にこれをやるべき状況もある。それはうつ病のときだ。
身につけた無力感は、自分の行動が有効であることを示すか、失敗の原因についての考え方を変えるように教えることで治すことができる。またあらかじめ自分の力で事態を変えられることを学んでいれば、無力感に陥らずにすむ。人生の早い段階でこれを学べば学ぶほど、無力に対して有効な免疫力を付けることができる。
うつ病の流行は、無力感を身につけた人々が増えていることを意味すると見てよい。無力状態の原因はうつ病の原因と同じだと見ることができる。つまり、自分が何をしようとむだだ、という考えだ。この考えはコントロールできない状況によってだけでなく、挫折や敗北によっても引き起こさされる。
【仕舞い】
マーティン・セリグマンが言っていることは、
人にはペシミストとオプティミストの二種類のタイプがある。
ペシミストの特徴は、悪い事態は長く続き、自分は何をやってもうまくいかないだろうし、それは自分が悪いからだと思い込むこと。
オプティミストは同じような不運に見舞われても、敗北は一時的なもので、その原因もこの場合にのみ限られていると考える。そして挫折は自分のせいではなく、その時の状況とか、不運とか、ほかの人々によるものだと信じる。オプティミストは敗北してもめげない。これは試練だと考えて、もっと努力する。
これまでの実験から、オプティミストのほうが、学校でも職場でもスポーツの分野でも、良い成績を上げられることも分かっている。オプティミストは適性検査でも常に予想よりも高い得点を取るし、選挙にでればペシミストよりも当選する可能性が高い。健康状態も良くて、上手に年を取り、生活習慣病にかかる率もかなり低い。平均より長生きするという推測さえも、ある程度の根拠がある。
悲観主義現象の核にあるのは無力である。無力とは、じぶんがどんな選択をしようと、これから起こることに影響を与えることはないという状態だ。
私たちの人生には自分でコントロールできないことがたくさんある。しかし、実はコントロール可能であるにもかかわらず、いまだ手のつけられていいない広大な領域が残されている。これらの領域を自分の支配下にいれるか、ほかの人々や運命の手にゆだねるかは、私たち次第だ。これらの行動は、私たちがどのような人生を送るか、ほかの人々とどうつきあうか、どうやって生計をたてるかというような、私たちがある程度選択の余地をもっているすべての分野にかかわる。
思考習慣は永続的なものである必要はない。過去二〇年間における心理学のもっとも目覚ましい発見の一つは、個人は自分の考え方を選べるということだろう。
その一つは、楽観的説明スタイルと悲観的説明スタイルである。説明スタイルとは、なぜこのようなことになったのか、普段自分に説明するときの方法である。
楽観的な説明スタイルは無力感に陥るのを防ぐのに対して、悲観的な説明スタイルは無力感を拡大してしまう。
悲観主義は固定したのでも、変えられないものでもない。悲観主義の支配から逃れて、必要なときに楽観主義を使いこなす方法を身につけられる。身につけるのは簡単ではないが、マスターすることはできる。
身につけた無力感は、自分の行動が有効であることを示すか、失敗の原因についての考え方を変えるように教えることで治すことができる。またあらかじめ自分の力で事態を変えられることを学んでいれば、無力感に陥らずにすむ。人生の早い段階でこれを学べば学ぶほど、無力に対して有効な免疫力を付けることができる。
ということだと思いました。
【感想】
ここで書かれているものがオプティミストだとしたときに、オプティミストは結果として良い成績、成果を出すということには、素直に信じられないところもありますが、考え方は一つではなく、選択できるものであること、その選択によって一つ日ひとつの結果、成果はもちろん、健康、人生にまで影響を及ぼすということはまったく同感です。
次回はこの本の第2部をご紹介したいと思います。